キタ ヤスノリ   Kita Yasunori
  喜田 安哲
   所属   人間社会学部 社会園芸学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2008/02
形態種別 大学・研究所紀要
標題 感覚記憶におけるトップダウン処理の効果 Top-down effect on sensory memory
執筆形態 単著
掲載誌名 恵泉女学園大学紀要
巻・号・頁 (第20号),23-41頁
概要 感覚記憶は、感覚器官を通して環境から最初に入力される情報である。Sperling(1960)は無意味な文字列を用いた全体報告法と部分報告法をによる実験を行い、アイコニックメモリーについて検討した。その結果、視覚的な感覚記憶は1/3秒程度で消失してしまうことを明らかにした。アトキンソン-シフリンのモデルによると、感覚記憶はトップダウン処理ではなく、ボトムアップ処理として考えられている。本研究では、有意味単語を使った感覚記憶範囲の探索的な実験を行い、感覚記憶におけるトップダウン処理の効果について検討した。単語であることを知らずに刺激が提示されたとき、実験参加者の約半数が単語であることに気づき、無意味な文字条件よりも感覚記憶範囲が増大した。気づかなかった参加者の感覚記憶範囲もまた無意味な文字条件よりも増大した。これらの結果から、感覚記憶の段階で、事前の知識(トップダウン処理)によって情報が有意味な単位として符号化あるいは変換されている可能性が示唆された。