(最終更新日:2024-02-15 15:43:06)
  アンラク ケンサク   Kensaku Anraku
  安楽 健作
   所属   熊本保健科学大学  保健科学部 医学検査学科
   熊本保健科学大学大学院  保健科学研究科 保健科学専攻
   職位  教授
基本情報
■ 専門分野
ケミカルバイオロジー, 創薬科学, 分子診断 (キーワード:ウイルス複製、イノシトールリン脂質、カルジオリピン、血小板寿命、上皮間葉転換、HDLコレステロール) 
■ 最終学歴
熊本大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
■ 保有学位
1. 学士(薬学)
2. 修士(薬学)
3. 博士(薬学)
■ 免許・資格
1. 甲種危険物取扱者
2. 薬剤師
3. 衛生検査技師
研究業績
■ 研究テーマ
1. 抗エイズ薬の創製
2. 血小板機能を保持する化合物の探索
3. 上皮間葉転換評価系の開発と阻害剤の探索
4. HDL-C亜分画測定法の開発
■ 著書・論文等
1. 2023/11 論文  HIV-1 Gag MA domain binds to cardiolipin in a binding mode distinct from virus assemble mediator PI(4,5)P2 Chemical biology & drug design 103(1),pp.e14401 (共著) 
2. 2023/03 論文  Significance of Circulating Remnant Lipoprotein Cholesterol Levels Measured by Homogeneous Assay in Patients with Type 2 Diabetes Biomelecules 13(3),pp.468-468 (共著) 
3. 2021/12 論文  Development of chimeric RANK with GST in the extracellular domain: Artificial switch in a membrane receptor Chemical Biology & Drug Design  (共著) 
4. 2021/08 論文  Structural insight into host plasma membrane association and assembly of HIV-1 matrix protein Scientific Repots 11(1),pp.15819 (共著) 
5. 2020/12 論文  A homogeneous assay to determine high-density lipoprotein subclass cholesterol in serum Analytical Biochemistry 613 (共著) 
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■ 学会発表
1. 2023/03/27 創薬を指向したHIV-1 Gag MAドメインとカルジオリピンとの結合解析(日本薬学会第143年会)
2. 2022/05/31 MAドメインとカルジオリピンとの結合を基軸とした抗HIV化合物の創製(日本ケミカルバイオロジー学会 第16回年会)
3. 2021/11/13 HIV-1 Gag MAドメインとカルジオリピン誘導体との結合解析(第38回日本薬学会九州山口支部大会)
4. 2021/06/21 MAドメインとカルジオリピンとの結合を基軸とした抗エイズ薬の創製(日本ケミカルバイオロジー学会 第15回年会)
5. 2019/11/28 カルジオリピンとHIV-1 Gag MAドメインとの結合解析と創薬への展開(第37回メディシナルケミストリーシンポジウム)
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社会活動・地域貢献
■ 所属学会
1. 2017/04~ 日本臨床検査学教育学会
2. 2017/04~ ∟ 評議員
3. 2008/04~ 日本薬学会
4. 2008/04~ 日本薬学会 医薬化学部会
5. 2008/04~ 日本エイズ学会
■ 委員・役員等
1. 2018/04~ 日本臨床検査学教育協議会 連絡担当
■ 講演等
1. 2020/11/14 令和2年度 創立記念式・記念講演(鹿児島県立武岡台高等学校)
メッセージ
■ メッセージ
これまでに身に付けた技術と経験をもとにして、医学検査に必要な基本的な理論と技術をお伝えして行きたいと思います。

私は以下の研究に従事しています。興味がある方は是非お尋ねください。

1. HIV-1Gagを標的とした抗エイズ薬の合成
2. イノシトールリン脂質(イノシトールリン酸)と蛋白質(PHdomain, HIV-1Gag)との結合解析
3. 血小板の保存期間延長を目的とした添加試薬の探索
4. 上皮間葉転換評価系の開発と阻害剤の探索
5. HDL亜分画測定法の開発とその臨床応用
■ 研究紹介
私の専門は、生体で機能する人工分子を有機化学的手法を使って作ることです。その一例を紹介します。ヒトに感染したエイズウイルスは、私たちの細胞の機能を利用して増えていきます。感染したあと、ウイルス遺伝子が核の中に入り込みます。次に遺伝子配列に基づいて細胞質でウイルス蛋白質が作られます。これらの蛋白質は、ウイルスになるために必要な他の成分と一緒に、細胞膜内側のある特定の部分に集まってウイルス粒子を作ります。そして細胞から出ていくことで次の細胞へと感染を繰り返すのです。
私はウイルス蛋白質が細胞膜に集まるところに注目しています。すなわちウイルス蛋白質が細胞膜に集まることを妨害する分子を作ることができれば、ウイルスは増えなくなると考えました。そこでもともと細胞膜にあるイノシトールリン脂質と構造は似ているけど同じではない(偽物)分子を作りました。さらにこの分子を投与すると、エイズウイルス蛋白質が細胞膜に集まらなくなることを実証しました。ようやくここまできましたが、将来この分子がエイズウイルスを減らしてくれるお薬になることを願ってやみません。