マツダ ケンジロウ   MATSUDA Kenjiro
  松田 謙次郎
   所属   文学部 英語学科
   文学研究科 言語科学専攻
   文学研究科 国語国文学専攻
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2021/02/26
形態種別 学術書
招待論文 招待あり
標題 『日本語の乱れか変化か―これまでの日本語、これからの日本語』(担当範囲:国会集団語の誕生と発展過程に見る逸脱現象)
執筆形態 分担執筆
掲載区分国内
出版社・発行元 ひつじ書房
巻・号・頁 219-235頁
総ページ数 15
担当範囲 IV 教育や社会の面から見た変化 国会集団語の誕生・発達過程に見る逸脱現象
担当区分 筆頭著者
著者・共著者 金澤裕之・川端元子・森篤嗣(編)
概要 国会関係者のみがその意味を理解しうる国会集団語である「お経読み」「テレビ入り」「ミシン目」「荷崩れ」の4語について、それぞれの国会会議録の中での語としての発展過程を分析した。その結果、発展過程は「名詞句形成・既存名詞の転用」「隠喩などによる意味の逸脱・拡張」「ヘッジ表現との共起」「文法的生起文脈の拡大」の4段階に分けられることが判明した。「お経読み」「ミシン目」「荷崩れ」は既存語を転用して新たな意味が付与されるが、「テレビ入り」は形式自体が新たに形成されるタイプであること、そして国会集団語に原義と共存するタイプとそうでないタイプがあることも判明した。さらに、ヘッジ表現との共起は意味が隠喩的拡張を経た場合にのみ観察され、意味が比較的透明な場合は観察されないが、これが話者の聞き手への配慮の反映であると考えられることを主張した。結論として、国会集団語の発展過程は、意味拡張という逸脱現象が国会を構成する集団に拡散し、その構成メンバーに受容されている過程と捉えられることを示した。
ISBN 978-4823410376