イシカワ セナ
Ishikawa Sena
石川 世菜 所属 藤女子大学 人間生活学部 食物栄養学科 職種 助手 |
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発表年月日 | 2024/07/13 |
発表テーマ | 若年女性における血液鉄代謝関連指標と血中12水酸化胆汁酸濃度との関係 |
会議名 | 2024年度 日本農芸化学会北海道支部 第一回学術講演会 |
学会区分 | 地方学会 |
発表形式 | ポスター |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 帯広 |
開催期間 | 2024/07/13 |
発表者・共同発表者 | 〇石川世菜1, 三田村理恵子2, 石塚敏1
北大院農1,藤女子大2 |
概要 | 【目的】
実験動物において12α水酸化胆汁酸と疾患の間に関連があることは広く研究が行われてきたが、ヒトにおける胆汁酸と疾患の関係については断片的な報告があるのみで、その詳細は分かっていない。本研究では、若年女性を対象に血液生化学データ、身体測定データと血中胆汁酸の分析結果を用いて各種パラメーター間の関係を検証した。特に、血中胆汁酸濃度と関連するパラメーターを明らかにすることを目的とした。 【方法】 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科2年生(2023年度)39名の血液生化学及び身体測定データを収集した。また、血漿中から胆汁酸を抽出し、LC-Orbitrap MSを用いて抱合体を含む30種の胆汁酸分子種を測定した。胆汁酸の指標としては、個別の分子種の濃度以外に、12水酸化胆汁酸(12OH)と非12水酸化胆汁酸(n12OH)のそれぞれの濃度に加え、12OH/n12OH比と総胆汁酸を用いた。抗体検査など多様な血液生化学パラメーターと胆汁酸濃度との関係についてSpearmanの順位相関係数を算出した。 【結果】 12OH、n12OH、及び総胆汁酸の濃度と、血清の総鉄結合能及び不飽和鉄結合能との間に、それぞれ正の相関が認められた。また、12OH及び総胆汁酸と、タンパク分画中のβ-グロブリン分画との間に正の相関が観察された。β-グロブリン分画はトランスフェリンを含み、血清鉄は主にトランスフェリンに結合している。そこで血清鉄と総鉄結合能から血清中の鉄飽和度を算出したところ、12OHと鉄飽和度との間に負の相関を見出した。これらの鉄関連指標は鉄欠乏性貧血の指標であるため、胆汁酸の中でも12OH代謝が鉄代謝と密接に関わることが示唆される。 |