コウチ ヨシクニ
Yoshikuni Kochi
河智 義邦 所属 教育学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2007/03 |
形態種別 | 研究論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 親鸞の往生思想と仏教的時間論の関連 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 仏教文化研究所紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (第7号),1-15頁 |
概要 | 仏教学者で宗教哲学者である上田義文は、親鸞の浄土教思想の特色を、西谷が親鸞の時間論について考察した論文に導かれつつ、大乗を中心とした仏教的時間論との関連の中で明らかにしている。特に上田は親鸞の往生思想には現世往生、来世・臨終往生の二義があるとして、それまで死後往生のみを親鸞の往生義として認めてきた真宗教学界に対して大きな波紋を広げたことでも有名である。筆者は、これまでに上田の説に影響されつつ親鸞の往生思想に対する論考をしてきた。詳細はそれらに委ねたいと思うが、ここではその論考が及ばなかった仏教的時間論との関わりの上に親鸞の往生思想を考察し、世俗的、実体的直線的時間論では捉えきれない構造を持つ親鸞の「即得往生」「難思議往生」の有機的関係を明らかにした。すなわち当論稿では、先の論説に立ち返りながら時間論との関連をみていくことを通して特に親鸞の「信一念」の理解構造には「絶対現在の今」ともいうべき、仏教的時間論、実体的時間論を超出した理解が伺われることを鑑み、その点から親鸞の往生思想の特色を考察した。 |