ハマチヨ イヅミ   Izumi Hamachiyo
  濱千代 いづみ
   所属   教育学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2006/06
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 助数詞の観点による天草版『平家物語』と『平家物語』〈高野本〉との比較
執筆形態 単著
掲載誌名 解釈学会誌『解釈』
掲載区分国内
巻・号・頁 第52巻(第5・6号),40-48頁
概要 助数詞の簡略化について〈天草版〉〈高野本〉を用いて考察した。計量的方法により,〈天草版〉の助数詞を含む数詞の語彙の減少が明白になった。意味分類の観点で比較した結果,次の3点が判明した。①双方で共通の助数詞は尺度・時間などの意味に属すものが多く,軍や歴史を記述するという作品の性格,戦乱の続いた中世という時代を反映する。②〈天草版〉のみの助数詞は室町時代末期の読み方,原拠本に存在した表現を反映する。③〈高野本〉にある助数詞が〈天草版〉にない現象は,〈天草版〉の抜書き的編集に由来し,〈天草版〉が日本語の初学者へ配慮して編集してある点に関係する。以上から,助数詞の簡略化は,双方の作成の目的,編集方針を反映した現象であることを立証した。