ヒラバヤシ トヨキ
Toyoki Hirabayashi
平林 豊樹 所属 教育学部 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/02/29 |
形態種別 | 研究論文(大学,研究機関等紀要) |
査読 | 査読あり |
標題 | 社会的カテゴリーに基づく社会科学研究は重要性を失って行くのか |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 岐阜聖徳学園大学紀要 教育学部編 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 岐阜聖徳学園大学 |
巻・号・頁 | 第63集(通巻第85号),81-98頁 |
総ページ数 | 19 |
担当区分 | 筆頭著者,最終著者,責任著者 |
著者・共著者 | 平林豊樹 |
原著者 | 平林豊樹 |
概要 | 1990年代以降、人文科学及び社会科学の研究に於いて、「社会現象や社会問題を分析する時、社会的カテゴリーや社会集団に注目しても無益であり、個々人の状況や特性に注目するのが有益だ」という考えが支持者を増やしつつある。斯様な考えが支持されるようになった理由の第一は、生物学(脳科学や遺伝学)が劇的に発達したからである。その理由の第二は、「第二の近代」(高度経済成長期以降の先進諸国)に於いては、社会的カテゴリーが人々を包摂し切れず無力化したという説が説得力を有すようになったからである。これらの考えに妥当性が無い訳ではない。だが、斯様な考えが支持者を増やす状況は、社会問題を自己責任の問題に帰す背景を成す。社会問題は各人の生得的要因や個人的状況に依って完全に説明される訳ではないのだから、社会科学者は、集団が各人に及ぼす深甚な影響と、諸制度の効力とを強調することに依って、社会問題を説明すべきだ。 |