ジョウフク マサノブ
Masanobu Joufuku
城福 雅伸 所属 経済情報学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/03 |
形態種別 | 研究論文 |
標題 | 『興福寺奏状』における国家と仏教の論理 -貞慶は法然とその浄土教団を抹殺しようとしたのか- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 印度学仏教学研究 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 第61巻(第2号),75-81頁 |
概要 | 定説では、貞慶は鎮護国家を旨としない専修念仏を広めている法然を危険視し『興福寺奏状』を提出し法然とその浄土教団を弾圧、抹殺しようとしたとされている。しかし『興福寺奏状』には法然やその浄土教団への弾圧、抹殺を要請する文言はなくむしろ当時の騒動と法然を峻別し法然を擁護するような文言もある。このことはすでに幾つかの論文で述べてきた。しかし未だに貞慶が国家仏教の視点から法然とその浄土教団を弾圧、抹殺しようとしたという所論が出つづけている。その定説の所論の根拠は『興福寺奏状』には国家と仏教の相依論が説かれているということにある。つまり国家と仏教が衰えれば相依関係にある国家も衰えるというものである。そこで本稿においては『興福寺奏状』における国家と仏教の関係をいかに述べているかを明らかにした。『興福寺奏状』では国家と仏教の関係は相依論ではなく、法相唯識の安危共同論で述べられており状況を同じくするという意味を述べているに過ぎず、貞慶は明確に既成仏教と専修念仏が和して仲よくして欲しいということを述べていた。以上のことから定説が誤りであることを明らかにした。 |