シノヘ ケイスケ
Keisuke Shinohe
四戸 慶介 所属 外国語学部 職種 専任講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/03 |
形態種別 | 研究論文 |
標題 | 「時間と空間でみるDoris Lessing の女性―自己の喪失と回復―」 (査読なし) |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『英米文学論叢』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 大東文化大学英文学会 |
巻・号・頁 | (第37号),71-80頁 |
概要 | 本論文は、ドリス・レッシングの短編集 A Man and Two Women (1963) に抄録された “To Room Nineteen”を扱い、主人公の女性スーザン・ローリングスの自己が喪失されていく過程、そしてそれを回復しようとする彼女の姿が「家 (home)」 と、あるホテルの一室 「19号室」 という空間を通してどのように描かれていくのか考察した。 一見満ち足りた、幸せな結婚生活を送るスーザンと夫が購入し、妻/母として生活する中心となった家は独りになって落ち着くことのできない空間としてあらわされる。そうした空間にいながら、もし結婚せずに仕事を続けていたら自分が活躍していただろうと彼女が思いめぐらす「オフィス」は、もはや想像することしかできないパラレルな空間である。本論文は、彼女が結婚生活から距離を置くために通ったホテルの一室 「19号室」 が、「家」 や 「オフィス」 とは異なり、彼女に社会的役割を求めない極めてニュートラルな空間として描かれており、妻/母そして取り戻せないかつての働く女性のどれでもない匿名の自己を回復するための空間として表されていることを提示した。 (日本語論文 総ページ数:10 ページ) |