ヒラバヤシ トヨキ
Toyoki Hirabayashi
平林 豊樹 所属 教育学部 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2019/11/17 |
発表テーマ | 社会的カテゴリーは社会科学での重要性を減じつつあるのか |
会議名 | 比較文明学会大会(第37回) |
主催者 | 比較文明学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 中央大学市ヶ谷田町キャンパス |
発表者・共同発表者 | 平林豊樹 |
概要 | 1990年代以降、人文・社会科学領域で、「社会現象・社会問題を分析する際、社会的カテゴリーや社会集団でなく各人の固有の事情や特性に着目しなければならない」という主張が多くの支持者を集めるようになった。その理由の第一は、生物学が飛躍的に進歩したからであり、その理由の第二は、「第二の近代」では社会的カテゴリーが人々を包摂し切れず無力化した、という説が説得力を持つようになったからだ。これらの説に妥当性が無い訳ではないが、こういう説は、社会問題を自己責任の問題に帰す背景を、成す。脳の仕組みと遺伝子とだけで人々の行動と認識とを説明し尽くせる訳ではない。現代の社会問題は往年のそれと同じでないが、困難な状態へと下降移動し易い層とし難い層とは今も厳然と存在する。生得的要因や各人の個人的事情だけで社会問題を説明し尽くせる訳でない以上、社会科学者なら、集団が各人へ及ぼす深甚な影響とか制度の効力とかを強調してこれを説明すべきだろう。 |