キドウラ トヨカズ
Kidoura Toyokazu
木戸浦 豊和 所属 教育学部 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2019/12/15 |
発表テーマ | 夏目漱石の「文学の哲学」 |
会議名 | 日本近代文学会東海支部・第65回研究会 |
主催者 | 日本近代文学会東海支部 |
学会区分 | 地方学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 愛知県名古屋市 |
概要 | 『文学論』(明治40年)をはじめとする夏目漱石の理論的言説は、文学の「本質」を追求する点で「文学の哲学」と呼ばれ得る。本発表は認識の問題(認識論)との接点から漱石の「文学の哲学」の意義を検討する。
漱石にとって認識の問題が切実な課題であったことは「大要」と題された「ノート」が告げている。「大要」は明治33年秋に始まる漱石の英国留学における「文学研究のプログラム」だと考えられているが、その第一項目には「世界ヲ如何ニ観ルベキ」という認識の問題が掲げられている。さらに漱石は明治35 年に義父中根重一に送った書簡でも、著書の構想として「世界を如何に観るべきや」という問いを真っ先に挙げている。これらが示す通り、世界の観方の問題、すなわち認識の問題は漱石にとって重要課題であったのである。 本発表は認識の問題と積極的に交通・連絡させることで、漱石の「文学の哲学」を19世紀後半から20世紀初頭の学問や知的言説の動向の中で捉え返すことを目指す。 |