ヨコクボ ヨシヒロ
Yoshihiro Yokokubo
横久保 義洋 所属 外国語学部 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2014/05/31 |
発表テーマ | 銭穆の五四新文化運動観の変遷――張中行による批判を中心として |
会議名 | 国立高雄餐旅大学応用日語系「観光・言語・文学」国際学術研討会 |
主催者 | 国立高雄餐旅大学 |
学会区分 | 国際学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 台湾 |
開催地名 | 中華民国 高雄市 |
概要 | 本発表ではまず、1993年作家・張中行が「關於吾師」の一文において、かつて1930年代に北京大学で教えを受けたことのある顧頡剛・銭穆の二師の晩年の言行について行った厳しい批判が、①彼が早年の学風とは異なり考証方面を棄ててもっぱら宋明の道学を語りだし、さらに中国史上における専制政治の存在を否定するという「自らの希望・幻想により史実を曲げることもいとわない」「プロパガンダとしては百点、事実の叙述としては零点」という「治学」方面についてのものであるということ ②その学風の変化は新文化運動に対する見方と密接な関係があり、当初は新文化運動について基本的には肯定的であったのにもかかわらず、1940年代の『国史大綱』では一転して新文化への全面批判に近い論旨を展開するようになり、その傾向は晩年に至るまで続き、その伝統思想の擁護者としての姿勢もますます強まっていったという二点を中心とするものであったと指摘する。しかしながら、その新文化運動観の「変」はその内面から出たものというよりは、社会的状況に合わせたものであるとして、張氏による銭穆批判の意義をあらためて問い直すことにより、銭氏の学術思想上における新文化運動の持つ位置を再評価する。 |