コバヤシ ミノル   Minoru Kobayashi
  小林 実
   所属   十文字学園女子大学  教育人文学部 文芸文化学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2001/05
形態種別 研究論文
標題 二葉亭四迷『浮雲』創作の目的論的契機とモデル作品—グリボエードフ『知恵の悲しみ』及びゴンチャロフ『断崖』からの借用形態について—
執筆形態 単著
掲載誌名 『日本近代文学』
掲載区分国内
巻・号・頁 第64集,1-14頁
概要 『浮雲』にはゴンチャロフの『断崖』ばかりでなく、『断崖』のモデルとなったグリボエードフの戯曲『知恵の悲しみ』も使われていることが、旧東京外国語学校旧蔵所の検討から判明した。ただし『知恵の悲しみ』は、あくまで政治小説的な執筆意図に反映されているが、『断崖』は、小説作成の技術的モデルとして現実的に利用されたと思われる。また二葉亭の手記を検討すると、当初は、社会批評を意図した目的論的契機から『浮雲』執筆がおこなわれたが、次第に技術的問題が前景化し、当初の意図が裏切られるかたちになっていったことが、『浮雲』の変遷および、断筆の原因となったと考えられるのである。