コバヤシ ミノル
Minoru Kobayashi
小林 実 所属 十文字学園女子大学 教育人文学部 文芸文化学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/03 |
形態種別 | 学位論文(修士) |
標題 | 明治・大正期におけるロシア文化受容の基底 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 博士論文 |
掲載区分 | 国内 |
概要 | 平成18年3月提出. 江戸時代から大正時代までにわたる日本人のロシア文化体験を、二葉亭四迷と相馬黒光を二つの軸として検討したオムニバス形式の論考。レザノフの択捉攻撃以来日本人の心の傷となっているロシアへの恐怖心と、豊かな西洋文化のひとつとしてもたらされたロシア文化に対する憧れとが交錯する模様を、多角的に検証しながら、国家の枠組を越えた「個人」のつながりこそが、正常な異文化交流を助けることを論じる。ロシアの南下政策に危機を覚えた二葉亭が、やがてロシア文学の社会評論としての効用を学び、日本へそれを移入しようとして挫折する、その二葉亭が翻訳した「あひゞき」に衝撃をうけた国木田独歩、その独歩にロシア文学の手ほどきを受けた相馬黒光、黒光の周りに集まる早稲田大学の関係者とジャーナリストが築き上げた日本のロシア文学受容のシステム、二葉亭や黒光自身ばかりでなく、彼らの知人たちが経験した、ロシア人との私的な交流のきずなが、日露戦争やシベリア出兵の悲惨を乗り越えようとした真摯な姿を紹介し、イメージだけで異文化を語ることの愚かさを訴える。 |