コバヤシ ミノル   Minoru Kobayashi
  小林 実
   所属   十文字学園女子大学  教育人文学部 文芸文化学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2016/01
形態種別 研究論文
標題 中山省三郎とツルゲーネフ
執筆形態 単著
掲載誌名 『立教大学日本文学』
掲載区分国内
巻・号・頁 (第115号),116-129頁
概要 中山省三郎がロシア文学翻訳家として世間に知られるようになるのは、昭和8年(1933)第一書房から刊行されたツルゲーネフ『全訳散文詩』がきっかけであった。これはツルゲーネフ没後50年の企画であった。社主の長谷川巳之吉に見出され、「新しい二葉亭が再現した!」と過剰な宣伝をもって抜擢された。また美装本出版で知られる第一書房による瀟洒な装釘も相俟って、またたく間に名声を確立した。書物の姿と中山の名訳によって、ツルゲーネフ詩を彩るイメージを世間に普及させた。また中山自身も、訳語を音読暗唱しながら完成させたという点から、翻訳詩受容の背景には、書物の物質性と言葉の身体性が関わるということを論じた。