ヒラオ カズユキ   Kazuyuki Hirao
  平尾 和之
   所属   京都文教大学  臨床心理学部 臨床心理学科
   京都文教大学  大学院臨床心理学研究科 博士後期課程
   京都文教大学  大学院臨床心理学研究科 博士前期課程
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2017/07
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 くも膜下出血後遺症の男性に対する箱庭療法-ニューロサイコアナリシスの観点から
執筆形態 共著
掲載誌名 箱庭療法学研究
掲載区分国内
出版社・発行元 日本箱庭療法学会
巻・号・頁 30(1),55-66頁
著者・共著者 秋本倫子、平尾和之、山愛美
概要 くも膜下出血を発症した59歳の男性Aに対する心理療法の過程を,ニューロサイコアナリシスの観点から検討した。Aは,健忘,見当識障害,実行機能障害などの高次脳機能障害を示した。病態失認,作話,それに神経心理学で言う"保続"もあった。しかしながらセラピストは,バウムテストの描画や特に箱庭を見て,回復の潜在的可能性を信じるようになった。バウムや箱庭は,似たようなパターンを繰り返しているように見えたが,その中に微妙な変化を観察することが可能であった。自宅に帰る希望は打ち砕かれた。すると,最終回の箱庭で,Aはすべての木を一度倒し,再びまっすぐに立て直し,最終的に切り株と枯れ木(死と再生の象徴)を置いた。それは,内なる宇宙に自己の弱さを入れ込むかのようであった。本事例は,描画や箱庭療法により,神経心理学的アプローチと力動的心理療法の統合が可能になるであろうことを示唆した。