マツダ マリコ
Mariko Matsuda
松田 真理子 所属 京都文教大学 大学院臨床心理学研究科 博士後期課程 京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 京都文教大学 大学院臨床心理学研究科 博士前期課程 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/12 |
形態種別 | 研究論文(学術雑誌) |
査読 | 査読あり |
標題 | オディロン・ルドン― 眼の誕生― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 日本病跡学雑誌 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本病跡学懇話会 |
巻・号・頁 | (92),69-79頁 |
著者・共著者 | 松田真理子 |
概要 | オディロン・ルドンは実質的な画壇デビューが39歳という遅い時期であり、先行研究ではモノクロで繰り返し眼球や人間の首を描いた背景には視線恐怖や抑うつについての指摘がなされている。一方、筆者はルドンの初期作品群では大きく見開いた眼によって「正しく見る」ことを強調し、中期の作品群における「閉じた眼」では宗教的観相の次元を示し、「見る」ことと「目を閉じる」ことが一対を成していると指摘した。「眼を閉じて」のシリーズはルドンの精神的指導者であったクラヴォーが縊死した1890年を境に数多くのヴァージョンが制作されており、眼を閉じることにより、自らの内面を深く見つめると同時に、目を閉じた無防備な状態を晒すことにより、他者から「見られる」ことに身を委ねることを意味しているのではないかと述べた。さらに地質学における石炭紀・ペルム紀に登場した古生物の様態、生命史における「眼の誕生」、ルドンが幼少期に患っていたと言われるてんかんの観点も交え、ルドンの内奥を検討した。 |