マツダ マリコ   Mariko Matsuda
  松田 真理子
   所属   京都文教大学  大学院臨床心理学研究科 博士後期課程
   京都文教大学  臨床心理学部 臨床心理学科
   京都文教大学  大学院臨床心理学研究科 博士前期課程
   職種   教授
発表年月日 2023/09/03
発表テーマ 「スピリチュアルケアの臨床的意義」『心理臨床とスピリチュアルケア』
会議名 日本心理臨床学会第42回大会 会員企画シンポジウム
主催者 日本心理臨床学会
学会区分 全国学会
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
単独共同区分 共同
開催地名 パシフィコ横浜 横浜
開催期間 2023/09/01~2023/09/03
発表者・共同発表者 企画:大村哲夫、話題提供者:倉光修・松田真理子・大村哲夫、進行:瀧口俊子、指定討論:和田信、
概要 スピリチュアルケア、スピリチュアリティという言葉が喧伝されて久しく、WHOでは1998年に「スピリチュアル」な健康を加える憲章改正案を提案したが、結局採択には至らなかった。その際、スピリチャルティの意味内容について徹底的な国際比較と統計処理による標準化が試みられたが、そこに付与される意味内容の多様性を浮き彫りにする結果となっている。
臨床現場には人生に行き詰まり、方向喪失状態となり、心の傷を抱えて多くの人々が来談される。心の傷や苦悩は一人ひとり個別の体験であり、多くの人は自分の身の上に起きてしまった出来事を受け入れることができず、苦しんでいる。我々の人生には時として理不尽な出来事や病、苦悩が降りかかって来る。「このようなことが起きなければ良かったのに」と事実をなかなか受容できないことで、さらにもがき苦しむ。起きてしまった事実は変えることはできないが、物事の捉え方を変え、自分なりの物語を紡ぐことができるようになった時、精神科医の加藤清(1996)のいう「苦悩によって煩わされなくなった時、苦悩が苦悩を癒す」という現象が起こることがある。「苦悩が苦悩を癒す時」とはその人の中のスピリチュアリティが目覚める時ではないだろうか。スピリチュアリティの目覚めは静かに話を聞き、共に苦しみ、共に悲しみ、共に祈る人が傍らに寄り添っている時であると考えられる。そして、それは巧まずしてスピリチュアルケアの働きが起こる時でもある。