マツダ マリコ
Mariko Matsuda
松田 真理子 所属 京都文教大学 大学院臨床心理学研究科 博士後期課程 京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 京都文教大学 大学院臨床心理学研究科 博士前期課程 職種 教授 |
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年度 | 2014 |
科目名 | 医療心理学 |
科目カテゴリー | 講義 |
実施学期 | 春 |
履修者数 | 履修者数160 |
教育活動の振り返り | 授業の概要: 西洋医学の歴史は「医学の父」と仰がれた紀元前5世紀のギリシャのヒポクラテス(Hippocrates)をもって嚆矢とし、古代より様々な療法が案出され、現代に至っており、本講義では最初に医療の歴史と精神医学の歴史を概観し、医療心理学に対する視座を開いていく。また心と身体の相関に対する理解を深め、「痛み」の意味を考え、医療現場における心理療法的アプローチの実際を見ていく。心理療法が必要とされるのは、精神科や心療内科のみではなく、脳や臓器、四肢、骨など身体の多岐に亘る手術に関わる外科や整形外科、アトピーや火傷など皮膚疾患に関する皮膚科や形成外科、出産の喜びだけではなくマタニティブルー、死産や障害を持ったこどもの誕生、不妊、堕胎、など喜びと悲しみが混在する産婦人科、こどもの病気やADHDをはじめとする発達障害などに関わる小児科など、医療現場におけるほぼ全ての領域であると言っても過言ではない。さらに、感染症や臓器移植、認知症、ターミナルケア、再生医療など様々な課題に対する理解を深めて行き、人間が「病む」、あるいは「治る」ということについての意味を深く捉えていく姿勢を養っていくことを目的とする。
教育活動の振り返り: 人間存在や病や死、回復するという意味について精神医学的、臨床心理学的、精神保健学的側面からの理解について講義し、講義終了時に毎回、講義内容に関する質問や自分の意見を提出してもらい、次回講義の最初に質問に対する答えや受講生全体で共有することが望ましいと筆者が判断した意見を紹介した。よって受け身的な講義ではなく、教員と学生が意見交換を行うことで、学生の講義に対する積極的姿勢を促した。必要に応じてビデオやDVD、OHPを使用し、視聴覚的側面からの理解も促した。 教育活動の成果: 「授業をよりよくするためのアンケート」結果を元に履修している学生がより講義内容に深い興味関心を抱き、学ぶ内容が将来の職業や日常生活の中で生かすことができるような広い視野を育むことにも努めた。 今後の課題: 再生医療や出生前診断など、医学の進歩は難病や先天性疾患で苦しむ人々にとっての福音であると同時に人間が踏み越えてはならない倫理の問題を常に我々に突きつけてきている。医療現場の光と影の両面を臨床心理学的視点から深く考察し、受講生に伝えていくことが今後の課題の1つである。 |