オオマエ アキマサ   Akimasa Oomae
  大前 暁政
   所属   京都文教大学  こども教育学部 こども教育学科
   職種   教授
年度2014
科目名理科
科目カテゴリー講義
実施学期
履修者数履修者数53
教育活動の振り返り授業の概要: 理科の授業を行う上で必要となる、教科書で扱う内容の背景にある専門的知識や専門科学の面白さに繋がる視点を獲得することを目的とする。本講義では、理科授業を行うために必要となる基礎的な科学的内容や考え方について、生物分野、地学分野、化学分野、物理分野などについて教授していく。また、理科の授業理論や方法を教え、自分で授業を創るための素地を養っていく。講義だけでなく、実験や模擬授業体験を通して、理科の専門的な知識、実験技能、理科教育に関する理論と方法の三つの内容を修得する。
教育活動の振り返り:
授業満足度は、中間・期末の合計として、熱心に取り組めたかについては、「そう思う」と答えた学生が約90%であり、理科の授業を行うための背景となる理科の基礎的知識と、授業づくりのための理論と方法、実験技能について、熱心に学習に取り組めたことがうかがわれる。また、ほぼ全員が授業満足度について高いと回答しており、学生の声として、「実験が有意義であった」、「模擬授業を大学教師がしてくれるので分かりやすかった」、「ただ話を聞く講義形式でなく、実践的に学べた」、「前半で学んだ理科授業の理論や実験方法が、後半の模擬授業の実施で活用できて、より理解が深まった」というものがあり、実践的な学びができたことで、有意義な学習になったことが考えられる。また、物理、化学、生物、地学分野の各分野の実験を毎回取り入れることで、体験的に授業のやり方や実験の進め方、実験の安全管理の仕方などについて体験的に学ぶ機会を保障することができた。
教育活動の成果:
大学教員による模擬授業と、理科授業に必要な実験の実施、小学校理科の背景にある科学的な専門的知識の教授、指導案の作成と模擬授業の実施の4つの工夫を取り入れたことで、他大学にはない実践的な「専門理科」の講義になったと考えられる。本講義は、理科授業の具体的な展開や、教師の指導助言をどう進めるかについて、実践的に習得することを目的として行ったため、理論と実践のバランスを重視しながら教授を行ったことが功を奏したと考えられる。また、理科授業の理論や展開の型を学んだ上で、その理論や実践例を参考にしながら学生自らが授業を考案していく場も用意した。そして考案した授業を模擬授業形式で行い、大学教員が指導助言を行った。学生は実際の授業をするという経験を通して、実践的に理科授業の方法や技術を学ぶことができたと考えられる。この講義の成果は、日本教師学学会で報告を行った。 
今後の課題:
日常の理科授業で、科学のすごさ、素晴らしさを伝えることのできる教員の基礎をつくるという目的のため、より小学校現場で必要となる理論や実践の教授をしていくことが必要になると考えられる。また、実験や科学の専門的な知識の習得に苦手意識をもっている学生が少なからずいたことから、小学校理科の背景にある専門的な理科の知識については、より多くの資料を用意したり、教授の機会を増やしたりするとともに、学生自身に予習や復習をしていくように促していくことが必要だと考えられる。また、実験の体験や、大学教師による模擬授業の実施は学生にとって非常に好評であったことから、このような体験的な講義方法について、他大学にはない良さとして、より効果的な講義方法を今後も検討・洗練していきたい。