オオマエ アキマサ   Akimasa Oomae
  大前 暁政
   所属   京都文教大学  こども教育学部 こども教育学科
   職種   教授
年度2014
科目名教育福祉心理学実践演習
科目カテゴリー演習
実施学期春・秋
履修者数履修者数20
教育活動の振り返り授業の概要: 学校でのインターンシップ活動を積極的に推進し、その報告とディスカッションを2週間に1回の授業の中でゼミ形式で行い、担当教員とともに活動の意味について省察する。各自が体験してきたインターンシップでの教育活動を実習記録にまとめ、実習記録をもとに発表を行い、グループディスカッションを行い、その後、担当教員からの指導助言を受ける。
教育活動の振り返り:
授業を熱心に取り組めた、シラバスに示された目的・目標に向かって進歩したかなどの授業満足度が90%を超えており、学生の声として、「先生の経験談等による貴重なアドバイスがすごく参考になりました。」、「皆でインターンシップを振り返り、話し合ったので、自分の経験・体験以上に学ぶことが多かった。」、「困ったこと、良かったこと、悪かったことなど、先生に聞いて改善することができたので良かった。」など、前向きな評価が多く見られた。特に、学生のコメントカードには、臨床教育学的な知見と、臨床心理学的な知見とで、両方の具体的なアドバイスがもらえることに対して、非常に大きな学びになったとの回答が多く見られた。
教育活動の成果:
4人程度のグループをつくってインターンシップ活動の報告会を行い、活動報告だけでなく、「学びになったこと」、「困ったこと」、「先生に尋ねてみたいこと」の三つを交流させるようにした。さらに、「困ったこと」と「先生に尋ねてみたいこと」の二つは、あらかじめ4人グループで、学生なりの答えを考えておくようにし、その答えを発表した上で、大学教師からのコメントを聞くという形式で進めた。学生にとっては、学生自身が考えた答えや対応方法よりも、大学教師が具体的に示す理論と実践の方がより深みと広がりがあるものであったため、大きな学びになったようである。学校現場で過ごす体験をもつことを通じて、学生が学校現場での子どもたちへの関わりを具体的に経験し、3年生での教育実習に向けた経験を蓄積することができたものと考えられる。また、一日の生活への流れを体験した上で、その体験を、プロセスレコードにより振り返り、心理支援的側面も含め、多元的な児童理解・学校理解を深めるきっかけになったと思われる。現場でのボランティア体験を通して、悩んだことやうまくいった事例などを検討し、教科に関すること、子どもへの対応に関すること、特別支援教育、心理学、学級経営に関することなど、幅広く学生の問題意識をとらえ、心理学や教育学の視点から助言をし、実践的な力と姿勢を身に付けるきっかけにすることができたと考えられる。
今後の課題:
より詳しい訪問の記録をとることができるようになると、グループディスカッションにおける実践の交流もより深まりが出てくると考えられる。訪問の記録の取り方の指導を含め、適切に、しかも内容の濃い記録がとれるようにしていく必要がある。また、インターンシップで学んだ内容をその後の教育実習に生かすためには、グループディスカッションで学んだことと、その後の大学教師からの指導や助言で学んだことをしっかりと記録し、自分の財産としてノートポートフォリオなどの形に残していくことが必要であり、そのための指導をきちんと時間をかけて行っていくことが必要と考えられる。また、大学教員からの具体的な指導助言を、その後のインターンシップでの教育活動にどう生かすことができたのかの振り返りも充実させたい。