スギモト セイコ   Seiko Sugimoto
  杉本 星子
   所属   京都文教大学  総合社会学部 総合社会学科
   職種   教授
年度2009
科目名*
科目カテゴリー未選択
教育活動の振り返り・講義内容の改善への取組
インドでのフィールドワーク実習を軸に、フィールドワーク実習A-I、フィールドワーク実習A-II、フィールド調査法、フィールドデータ処理法、仕事現場のフィールドワークといったフィールドワーク関連授業の内容を相互に連携させることによって、フィールドワークに関して一貫した学びができるよう全体的な講義内容の充実を図った。

・教材に関する工夫
「フィールドワーク実習A-I」では、国立民族学博物館研究員早乙女賢司氏の協力を得て、実習の事前準備のなかにインドの小学校で日本文化を紹介するための写真や物品をパックにしたジャパン・ボックスの作成を組み込むことによって、文化を伝える方法について考えさせた。
「フィールドワーク実習A-II」では、フィールド調査の帰国後、京都文教小学校でインド文化を紹介するためのインド・ボックスを作成させた。

・教授方法に関する工夫
「地域文化とまちづくり」では、まちづくりに関する基礎的な概念や法律、歴史や事例などについての基礎的な知識を学ぶ講義に加えて、伏見青少年センターの「つながりカフェ」と「アジア・アフリカとびっきり映画祭」の企画書の作成からイベントの実施までの実践的な学びを組み込んだ。
「フィールド調査法」では、従来のフィールドノートの取り方や調査カードの作成法に加えて、教育GP関連事業として実施された写真技術ワークショップ、動画作成ワークショップ、ドキュメンタリー槙島座への参加を促すほか、建築測量技術を学ぶ授業を組み込むことによって、現地フィールドワーク出発前にさまざまな調査技術の基礎を習得させカリキュラムを充実させた。
「フィールドワーク実習A-II」のインド・フィールドワークでは、各学生のテーマ研究のための現地資料の収集に加えて、現地の小学校で日本文化を紹介し、帰国後、京都文教小学校でインド文化を紹介する展示と報告をおこなうとともに、現地の小学生と日本の小学生の交流をサポートする活動を組み込んだり、アジア・アフリカとびっきり映画祭開催時にインド展示をおこなったり、サテライトキャンパスで写真展をおこなって、フィールドの学びを他者に伝えることで社会貢献する体験をさせ、学ぶことの意味について考えさせた。
「フィールドデータ処理法」では、収集資料を分析して個人研究を進めるだけでなく、パワーポイントを使った研究成果報告の作成とプレゼンテーションの技術を習得させた。また、京都文教小学校でインド展示とインド文化の報告を実施し、文化を伝える実践活動を組み込んだ。
・今後の改善点
一回生の「インド入門」は、昨年度と比較して授業内容が地味であり、また昨年のように課外活動をおこなう時間がなかったため、受講生に次年度のフィールドワーク実習にむけた期待感を持たせることができなかった。授業に外部講師を招聘したり課外活動で体験をさせることによって、フィールドワーク出発までモチベーションを維持させる工夫や準備をする時間を確保したい。
2回生フィールドワーク実習関連科目の受講生は、授業および課外活動が盛りだくさんであり、学生たちは振り返って充実した一年であったと述べているが、一つ一つのワークショップやイベントをこなすのに精いっぱいといった感があった。全体にもう少し企画を整理して、重要な企画にじっくり取り組ませる時間を増やして、授業内容をさらに充実したい。
・授業アンケートの結果等を参考にしたFD活動
「文化の経済学」では、学生に授業内容に関連するアンケートや質問をほぼ毎回おこない、その回答を集計してフィードバックしたり教材として活用したりした。