オオマエ アキマサ
Akimasa Oomae
大前 暁政 所属 京都文教大学 こども教育学部 こども教育学科 職種 教授 |
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年度 | 2015 |
科目名 | 教育方法論 |
科目カテゴリー | 講義 |
履修者数 | 履修者数51 |
教育活動の振り返り | 授業の概要: 子どもが学ぶ上で,どのような教え方をすれば効果的な学びが得られるのかを,理論と実践に分けて教授していく授業を展開する。そのため,日本における教育方法だけでなく,外国における教育方法の理論も紹介し,幅広い知識を学生が得ることができるようにしていく。また,理論だけでなく,実際に様々な教科においてどのような授業や教え方を展開していけばよいのかを,具体的に授業を通して教えていく。また,教科指導とは別に,学級経営や個別の子ども対応など,教科外指導において子どもの自立を促すためには,どのような教育方法が有効なのかを,事例をもとに紹介していく。
教育活動の振り返り: 授業や学級経営の理論を教授するだけでなく,大学教員の模範授業や学級経営の範例を示すようにし,その理論や実践例を参考にしながら学生自らが授業や学級経営案を考案していく場を用意したことで,より実践的に授業や学級経営の知識・技能を修得させることができたと考えられる。 教育活動の成果: 教育方法・授業技術を1時間の授業に複数取り入れることは,現役教師でも意識していないと難しいものだと考えられる。今回の講義では,教育方法と授業技術のうち,特に中核的なものとして教授したものを,複数使えたと実感していた学生が多く見られた。 知識として,教育方法・授業技術を理解するだけでなく,学生自身が技能として模擬授業の中で使用できたと感じていることに注目したい。知識を,それを使いこなす技能にまで高めるには,知識の理解とともに,自分で使ってみる経験の蓄積が必要となるが,今回多くの学生が知識を使いこなせたと実感していることが分かった。これは,手本として大学教師による模範授業を体験できたことによって,知識を使うイメージが豊かになったためだと考えられる。また,大学教師の模範授業を手本として,授業へのイメージを高めた上で,学生に模擬授業を行わせることで,学生が授業に関する情報収集を進んで行って自分なりに工夫を取り入れたり,大学教師の模範授業で学んだ授業の工夫も取り入れたりと,主体的に模擬授業を工夫しようとすることができたことも評価したい。 今後の課題: 教育方法や授業技術は,歴史を遡ると多岐にわたって様々な内容のものが存在する。その中で,網羅的に,概要を紹介する方が学生にとって良いのか,それとも,本実践のように現場でよく使われている中核的な教育方法・授業技術に絞って習得を目指すのか,どちらが実践的指導力を身につけるものであるかは,議論がなされるべき課題だと考えられる。また,多様な教育方法・授業技術の概要を知る授業と,習得を目指す授業とでは,講義のやり方は違ってくると考えられる。概要を知る講義と,中核的な技法を習得する講義とその両方がバランスよく配置される必要があるだろう。 「教育方法論」という講義名で15回の講義が行われている大学が多く見られる。15回という限定された回数の中で,教育方法・授業技術も学級経営の方法も,子どもへの対応方法も全て網羅するのは,ガイダンス的な講義になり,学生に知識と技能が身につきにくいものになる恐れがある。知識は知っただけでは技能として定着できないため,技能まで高めるには,本授業のように,模範授業体験や,指導案づくり,模擬授業を実際に行うなどの「学生が体験する機会」を確保する必要がある。 |