教員紹介 | |
イナモト マリコ
Inamoto Mariko
稲本 万里子 所属 人文学部 日本語日本文化学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/04 |
形態種別 | 論文 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 「「信貴山縁起絵巻」の視覚表象から制作主体を探る」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 加須屋誠編『図像解釈学―権力と他者』(西川杏太郎監修、林温編『仏教美術論集』第4巻) |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 竹林舎 |
巻・号・頁 | 195-212頁 |
概要 | 朝護孫子寺に所蔵される「信貴山縁起絵巻」は、制作年代や制作目的など、いまだ結論が出ない問題点が多い。本稿では、制作年代と絵師、主題と目的など、今までの研究史を整理したうえで、文献史料ではなく、視覚表象から制作主体を探るというニュー・アート・ヒストリーの手法を用い、絵巻の制作主体を導き出した。その結果、絵巻の制作主体とは、働く男性貴族に自己投影し、長者の家や村里を支配すべき土地と見なし、胸も露わに働く〈庶民〉の女性を凝視することを欲望した人物であったと考えた。制作主体のセルフイメージは、〈山を下りない命蓮〉に対して、〈清涼殿を出ない男性貴族〉であったと結論づけた。 |