教員紹介 | |
イナモト マリコ
Inamoto Mariko
稲本 万里子 所属 人文学部 日本語日本文化学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/03 |
形態種別 | その他 |
標題 | 「幻の「源氏物語絵巻」バーク本について」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『立教大学日本学研究所年報』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 立教大学日本学研究所 |
巻・号・頁 | (8),15-21頁 |
概要 | 本稿は、立教大学日本学研究所国際シンポジウム「幻の「源氏物語絵巻」をもとめて―近世初期の公家文化圏における『源氏物語』享受」(立教大学、2008年7月)において発表した内容をまとめたもの。ニューヨークのメアリー・アンド・ジャクソン・バーク財団に所蔵されている幻の「源氏物語絵巻」のうち賢木巻断簡2段を紹介するとともに、賢木巻の造形的特徴、情景選択、詞書筆者、絵師を検討することによって、幻の「源氏物語絵巻」の注文主について考察した。賢木巻が光源氏の叛逆をテーマにしているのに対し、桐壺巻では宮廷行事の記録的要素が濃く、帚木巻では性的な場面が取りあげられている。宮廷行事も性愛もすべてが『源氏物語』の時代から続く伝統的な宮廷文化であり、そこに何らかの叛逆性が込められていたと解釈するならば、空前絶後の「源氏物語絵巻」を制作させることによって、宮廷文化という揺るぎない伝統を創造し、なおかつ、武家への対抗意識を絵のなかに潜ませた京の公家たちによって制作されたものと推定した。 |