教員紹介 | |
イナモト マリコ
Inamoto Mariko
稲本 万里子 所属 人文学部 日本語日本文化学科 職種 教授 |
|
発表年月日 | 2008/07 |
発表テーマ | 「幻の「源氏物語絵巻」バーク本について」 |
会議名 | 立教大学日本学研究所国際シンポジウム「幻の「源氏物語絵巻」をもとめて―近世初期の公家文化圏における『源氏物語』享受」 |
主催者 | 立教大学日本学研究所 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(招待・特別) |
単独共同区分 | 単独 |
招待講演 | 招待講演 |
開催地名 | 立教大学 |
概要 | 本発表は、ニューヨークのメアリー・アンド・ジャクソン・バーク財団に所蔵されている幻の「源氏物語絵巻」のうち賢木巻断簡2段を紹介するとともに、賢木巻の造形的特徴、情景選択、詞書筆者、絵師を検討することによって、幻の「源氏物語絵巻」の注文主について考察したもの。賢木巻が光源氏の叛逆をテーマにしているのに対し、桐壺巻では宮廷行事の記録的要素が濃く、帚木巻では性的な場面が取りあげられている。宮廷行事も性愛もすべてが『源氏物語』の時代から続く伝統的な宮廷文化であり、そこに何らかの叛逆性が込められていたと解釈するならば、空前絶後の「源氏物語絵巻」を制作させることによって、宮廷文化という揺るぎない伝統を創造し、なおかつ、武家への対抗意識を絵のなかに潜ませた京の公家たちによって制作されたものと推定した。 |