教員情報
|
|
マツダ ケンジロウ
MATSUDA Kenjiro
松田 謙次郎 所属 文学部 英語学科 文学研究科 言語科学専攻 文学研究科 国語国文学専攻 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2001/03 |
形態種別 | 研究論文(大学,研究機関等紀要) |
標題 | 中間言語と言語変異: KYコーパスを使った「を」格ゼロマーク化の分析 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | Theoretical and Applied Linguistics at Kobe Shoin |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 神戸松蔭女子学院大学・短期大学学術研究会 |
巻・号・頁 | (4),57-76頁 |
概要 | 近年Bailey & Preston(1996)に見られるように、変異理論的枠組みによる中間言語変異の分析が盛んになって来つつある。第2言語習得という観点を取り入れることにより、制約条件のありようについて第1言語習得、第1言語変異や言語普遍性・個別言語の特殊性と組み合わせた仮説設定が可能になる。本稿ではKYコーパスを用いて韓国語母語話者の日本語発話に見られる「を」格ゼロマーク化現象の分析を行い、松田(1995,2000)に報告されている第1言語変異との比較を試みた。「を」格ゼロマーク化には、言語普遍的要因(目的語名詞句形式差)とともに、日本語(東京語)個別的な要因(目的語名詞句と動詞の隣接性、スタイル差)も絡むが、KYコーパスの韓国語母語話者データの分析からは、このうち目的語名詞句形式差のみが統計的に有意な要因として検出された。さらに日本語習熟度別の分布からは、習熟度の上昇に従って、この要因のレベルの分布が母語話者のそれに接近するという傾向が認められた。とりわけ普通名詞$>f$代名詞という差は、すでに中級レベルから習得されている事実は、第1言語変異と第2言語習得における言語普遍的要因の役割という点から大いに注目に値する。 |