教員紹介 | |
ヤマモト ヨシハル
山本 喜晴 所属 心理学部 心理学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/03 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 能楽師の聴取に基づくパフォーマンス体験に関する探索的研究 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 臨床心理身体運動学研究 |
出版社・発行元 | 日本臨床心理身体運動学会 |
巻・号・頁 | 15(1),41-52頁 |
概要 | 能と心理療法との類似性は以前から指摘されている。そこで、本研究では演能の体験を実証的に探索することで、心理臨床でも生じていると考えられるパフォーマンス体験について検討した。60代後半の4人の能楽師への半構造化面接によってデータを集め、グラウンディッド・セオリーによって分析した。その結果、以下のカテゴリーが生成された。最近の演能体験を説明する中核概念としての〈充実感〉;〈充実感〉の下位概念として「共演者との関係」「曲への関わり」「身体の状態」;能楽師のライフヒストリーにおける重要な要素としての〈身体の変化〉と〈制度〉、というカテゴリーが生成された。「身体の状態」については充実感と共に語られることはなく、パフォーマンスの失敗と共に語られた。調査の結果、熟練した能楽師が演能中に意識するのは、自分の身体の状態よりも演じている曲趣や役柄、そして共演者との相互関係であることが分かった。結論として、熟練者によるパフォーマンスへの高度の専心は必ずしも身体感覚を伴わない、という仮説が生成された。 |