教員紹介 | |
ヤマモト ヨシハル
山本 喜晴 所属 心理学部 心理学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2014/06 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 見立てと時間認識に関する事例研究 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 心理臨床学研究 |
巻・号・頁 | 32(3),193-203頁 |
概要 | 見立ては医学的診断とは区別される方法であり、クライエントと共に物語を作り上げる作業と表現されてきた。物語に筋や流れがあるように、見立ては過去や現在の事柄から未来を予測する、という時系列に沿った視点によって作られる。それに対して中野(2004)は、見立ては瞬間的なものであることを指摘する。しかし、過去・現在・未来という直線的な時間の流れと同時に、瞬間を意識することは難しく、矛盾すら生じうる。それゆえ、見立てのためには、時間に対する特別な認識が必要になると考えられる。そこで、本稿では因果的関連と非因果的関連に気づいていたクライエントの事例を検討し、さらに木村(1982)の理論を援用することで、共時性を通時性から区別して捉え直した。事例からは、心理臨床には因果的に説明しきれない側面があることが明らかになった。そして、見立てにおける時間認識としては、通時的であるだけでなく共時的であることも重要である、ということが示唆された。 |