教員紹介 | |
イトウ ハジメ
伊藤 創 所属 国際コミュニケーション学部 グローバルコミュニケーション学科 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2015/03 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 言語間における事態の描き方の相違についての一考察 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 関西国際大学紀要 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 関西国際大学 |
担当区分 | 筆頭著者 |
概要 | 本稿では,高コンテクスト言語とされる日本語においては,1)省略を好んだり,推論に依存する度合いの高い言語表現が好まれたりするということ(認識のレベル)と,2)推論に依存する名詞修飾節の容認度の高いということ(言語表現でのレベル)について,1)が2)に反映されているというよりは,2)は,主部後置型の言語である日本語の特性によって生じている(容認度が高くなる)という可能性を指摘した。つぎに,日本語では,3)事態の生起時点に入り込み事態を描くという認識のレベルでの捉え方と,4)相対テンスと呼ばれる表現形式が多用されること,についても同様に,4)は3)の反映ではなく,主部後置型の言語である日本語において「前」や「後」などの語が接続助詞的な用法を発生させる課程で生じた義務的な表現形式である可能性も指摘した。こうしたことから,日本語においては,事態をより主観的に捉えるという認識のレベルの傾向が近年多く指摘されるが,それはあくまで言語表現から判断するとそう見えるにすぎないのであって,実際にそれらの言語表現が認識レベルでの主観的な事態把握の反映であるかについては,疑問を唱える余地がある,ということを述べた。 |