教員紹介 | |
マツイ コウタ
松井 幸太 所属 心理学部 心理学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2019/03 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | カンボジア・グローバルスタディプログラムのフィールド調査を踏まえて―カンボジア内戦経験者の語り― |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 多文化共生研究所叢書 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 関西国際大学多文化共生研究所 |
著者・共著者 | 坂中尚哉・松井幸太 |
概要 | 本稿は、2017年度のグローバルスタディ時に半構造化面接法により収集したインタビュー記録を事例として提示し、内戦経験者の語りの共通項を探索的に検討した。提示した7事例の内戦経験者のうち、実に6名(86%)が内戦時に夫やいとこなどの親戚を亡くしており、事例6、事例7は、内戦経験にまつわる悪夢を見ており、40年を経た現在もPTSD症状を呈している村人が多数いることが明らかになった。こうした親族の喪失は、悲しむべき体験である一方、内戦時の苦労としてあげた内容は、「食事の少なさ」と「重労働」に関する語りがその多くを占めた。
インタビュー調査を通して、生きるより、死ぬ確率が高い時代を生き延びた内戦経験者の方々は、怒りや諦め、深い悲しみなど、形容しがたい感情を吐露し、静かに語られる。筆者らは、生きた語り、すなわち内戦経験の証言に関与したことの責任を感じざるを得ない。引き続き、内戦経験者の語りを共有する営みを続けたい。 |