教員紹介 | |
カワムラ アキラ
Kawamura Akira
川村 光 所属 教育学部 教育福祉学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/03 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | The Culture of Japanese Teacher Competency Formation in the Late 2010s: A Comparison with Italian Teachers |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 関西国際大学教育総合研究叢書 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (16),1-12頁 |
担当区分 | 筆頭著者 |
著者・共著者 | 川村光 |
概要 | 本論文の目的は、2010年代後半の日本とイタリアの公立小・中学校教師を対象とした質問紙調査の結果を比較することによって、両国の教師の力量形成に関する文化のあり方を相対化し、各国の特徴を浮き彫りにすることである。
調査分析の結果、次のことが分かった。まず、両国の教師の共通点は、自身の意欲や努力とともに、子どもや同僚との日常的な交流、所属校での研究や研修が自身の教育実践の質を高めるうえで重要なこととして指摘されていることである。 一方、相違点は、日本の教師にとっては管理職や保護者、勤務校の同僚以外の他者との交流経験が力量形成上重要であるのに対し、イタリアの教師の場合は教員組合(教員・研究者協会含む)が意義深いものになっていることである。その差は、両国の教師の学校現場での労働環境と、それを組織している制度の違いにより生み出されていると考えられる。 以上のように、両国の力量形成は異なった特徴を示している。それは、教師にとって最も重要な現場での教師のコミュニケーションを通じた力量形成が今後ますます期待できなくなっていくのではないかという共通の危機に基づく、異なる解法なのである。そして、両国の教師の力量形成施策は、いずれもそれぞれの国が行っている様々な教員制度改革の影響を受けて、総合的に、確実にある種の方向に進み始めているということを示していると考えられる。 |