教員紹介 | |
リュウ ジュン
Liu Zheng
劉 争 所属 国際コミュニケーション学部 観光学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2019/12 |
形態種別 | 学位論文 |
標題 | 「雑種文化と土着世界観をめぐる問い―戦後知識人加藤周一の射程―」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 博士学位請求論文 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 神戸大学 |
概要 | (提出済)
本論文は、戦後日本の代表的知識人の一人である加藤周一の思想が有する射程を明らかにすることを目的としている。加藤は、フランス留学から帰国して間もなくして発表した『雑種文化――日本の小さな希望』において、国粋主義的日本文化論と西欧文化崇拝の両者を批判する肯定的「雑種文化」論を展開して注目されたが、その発展として、思想・文学概念の拡大を目指して書かれた先駆的な主著『日本文学史序説』では、日本の思想・文学の歴史において「孤立した傑作の系列」をなす一群の「例外」的テキストが有する普遍的な意義と可能性に光を当てて見せた。こうした「土着的世界観」と「例外的個人」とのあいだの緊張をはらんだ両義的関係は、現代の我々にも大きな問いを投げかけている。加藤周一の「雑種文化」論と「土着世界観」に含意される思想の意義が明確に見出されたことはほとんどない。今までは体系的ではないと考えられてきた加藤の思想が、雑種文化をめぐる「土着世界観」の思想構図は現在においても有意義なものを為すと考えている。 |