イワシタ マユミ
  岩下 真由美
   所属   保健医療学部 看護学科
   職種   准教授
発表年月日 2024/09
発表テーマ 青年期以降に発症した1型糖尿病をもつ人のレジリエンスの内容
会議名 日本糖尿病教育・看護学会学術集会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
開催地名 京都
開催期間 2024/09/21~2024/09/22
発表者・共同発表者 岩下真由美(筆頭演者)、津崎好美、太田圭子、高見沢恵美子、岡光京子
概要 【目的】青年期以降に1型糖尿病を発症した人たちが、自分自身の力でセルフケアを確立していくために、青年期以降に発症した1型糖尿病をもつ人のレジリエンスの内容を明らかにすることである。
【方法】研究に同意が得られた近畿圏内の糖尿病専門外来に通院している青年期以降に発症した糖尿病外来通院中の1型糖尿病患者で、主治医または外来師長(糖尿病看護認定看護師)が血糖コントロールのセルフケアが確立していると判断し選出した人(妊娠中の人、精神疾患の人、認知症の人は除外した)であった。レジリエンスの内容について、半構造化面接を行い、面接内容を質的帰納的に分析した。面接内容は対象者の許可を得て録音し、逐語録を作成し、1型糖尿病をもつ人のレジリエンスの内容を表す記述を抽出し、コード化し、カテゴリー化した。本研究はA大学研究倫理委員会およびB病院研究倫理委員会の承認を得たうえで実施した。
【結果】93コードが抽出され、≪楽観的な性格≫≪ストレスに対する柔軟な対応≫≪1型糖尿病についての前向きな受け止め≫≪インスリン注射に対する前向きな受け止め≫≪周囲の人からのサポート≫≪生きていくことへの後押し≫≪知識や技術を獲得するための行動≫≪良好な血糖コントロールを目指した工夫≫≪1型糖尿病と共に生きることへの決意≫≪生きていくうえでの抱負≫の10カテゴリーに分類された。
【考察】本研究結果はレジリエンスの概念分析を行った高樽ら(2014)の示すresilience 属性である「個人の特性」「捉えなおす力」「対処する力」と、精神的回復力尺度を作成した小塩ら(2002)の示す「肯定的な未来志向」で構成されていると考えられた。またカテゴリー≪楽観的な性格≫≪ストレスに対する柔軟な対応≫は、1型糖尿病のレジリエンスの構造を明らかにしたNishio et al.(2016;2017)の研究結果には認められなかったことから、新しい知見が得られたと考えられた。