ヤマモト カオル   Kaoru.YAMAMOTO
山本 薫

  • 所属   松本大学  人間健康学部 スポーツ健康学科
  • 職種   准教授
発表年月日 2023/10/14
発表テーマ 上肢と下肢の15RM強度レジスタンス運動が動脈スティフネスに及ぼす一過性の影響
会議名 第42回臨床運動療法学会学術集会
主催者 日本臨床運動療法学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 栃木県下都賀郡 獨協医科大学
開催期間 2023/10/14~2023/10/15
発表者・共同発表者 山本薫、山本弥生
概要 【背景】レジスタンストレーニング(RT)はサルコペニアやフレイルを予防するために広く推奨されている。しかし動脈硬化の予防に対する効果は不明である。本研究は動脈の硬化度に及ぼす一過性のレジスタンス運動(REX)の影響を上肢および下肢別に明らかにすることを目的とした。
【方法】若年健常男性5名(年齢20.8±0.4歳)と中年男性1名(年齢53歳)が上肢運動、下肢運動、非運動試行をランダムにクロスオーバーにて行った。研究は松本大学倫理委員会の承認を受け、全ての参加者に書面にて説明し同意を得た。すべての運動前後に血圧、動脈スティフネスを測定した。動脈スティフネスは仰臥位にて20分以上安静に保ち上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV:フクダコーリン社製 form5)にて測定した。運動はウエイトスタック式マシンを用いて上肢下肢共に3種類の運動(上肢:①ベンチプレス、②ラットプルダウン、③傾斜腹筋。下肢①レッグエクステンション、②レッグプレス、③傾斜腹筋)を15RM(65%1RM)強度で15回2セット行い、セッション間は72時間以上空けた。値は全て平均値±標準偏差で示し、データは運動前後差および変化率を算出し若年者は上肢と下肢間で重複測定一元配置分散分析を行った。
【結果および考察】baPWVは若年者の運動前後及び前後差において有意差は認められなかった。中年者は上肢運動後に変化率8.8±7.2%で増加(硬化)傾向、下肢運動後に変化率-2.4±6.5%で低下(軟化)傾向を示した。これは65%1RM強度での中年者による上肢運動の場合に血管収縮を起こす血中エンドセリン-1などの増加が考えられ、若年者では血中のエンドセリン-1は増加しないか血流増加によるNO産生の可能性が考えられた。
【結論】 65%1RM強度のREXは中年者が上肢にて行う場合に動脈スティフネスを増加(硬化)させる可能性がある。

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