エバラ サトミ
EBARA SATOMI
榎原 智美 所属 看護学部 看護学科 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2023/03/18 |
発表テーマ | ラット顔面洞毛毛包のルフィニ様終末の機能形態学的解析 |
会議名 | 第128回日本解剖学会総会・全国学術集会 |
主催者 | 日本解剖学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | ポスター |
単独共同区分 | 共同 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 仙台 |
開催期間 | 2023/03/18~2023/03/20 |
発表者・共同発表者 | 榎原智美, 小池太郎, 村本大河, 廣瀬眞理, 竹中 綾, 江口麻美, 前田光代, 片岡洋祐, 北田容章, 古田貴寛 |
概要 | 1P-046
体性感覚受容器のルフィニ終末は有髄線維が狭い領域で分岐 を繰り返し、有節性の太い軸索終末が薄い終末シュワン細胞の被覆をまとい、全体が結合組織性の被膜で包まれる(A. Ruffini 1893)。齧歯類では被膜を欠く亜型の歯根膜ルフィニとヒゲ洞毛のルフィニ様終末が観察される。近年、ラットの三叉神経節単一神経細胞内記録標識法を用いて、洞毛ヒゲのルフィニ様終末が各種刺激に対して、上限約100Hz の持続性のスパイクを発することを明らかにした(2019年総会)(→ Introduction)。終末の微細形態との関連を調べるため、共焦点顕微鏡(CLSM)(Result 1-4)、準超薄切SEMアレイトモグラフィ(R5, 8) および FIB-SEM(R6, 7, 9) を用いて多面的に形態解析した。 1毛包の全載標本(PGP9.5免疫染色)で海綿静脈洞上方腹半側600umx400umの領域で太い有髄線維を網羅的に追跡すると、終末は毛包全周囲を取り巻いて (R1)二次元に広がり(R2)、微細な突起が顕著なSpinyタイプが上位の5領域、滑らかな表面を呈するNon-spinyタイプが下位の7領域を占め(R3)、ジグソーパズル状に分布し(R4) 。電顕的には、軸索終末はガラス膜に近接するが密接せず(R6)、不規則に走行する密な膠原細線維(太さ約40nm)の海に埋没していた(R5, 6)。ルフィニ様終末の分布する領域は、結合組織性毛包のうちでも上皮寄りで細胞体の少ない層(zone 1)で、膠原線維は顕著な線維束を呈さなかった(R5, 6)。 細胞のシュワン鞘のすき間から伸びる軸索終末の突起は、細い基部は終末周囲の膠原細線維より細かい線維の層にあるが、泡沫状の先端は膠原細線維の海に突出していた(R7, 8)。シュワン鞘のないむき出しの軸索終末の表面は必ずしも膠原細線維に直接しなかった(R7)。終末シュワン細胞や線維芽細胞から長く伸びる微細な突起が膠原線維束を捕捉していた(R7)。ルフィニ様終末に混じって、層板を有する終末が確認された(R9)。ヒゲ毛軸に加えられる刺激がこの領域へどのような動きとなって伝わるかは未だ見えないが、このコラゲンの海は安定的に100Hzほどの揺れが生じる構造なのではないだろうか。 |