ツル ヒロユキ
TSURU HIROYUKI
鶴 浩幸 所属 鍼灸学部 鍼灸学科 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2003/11 |
発表テーマ | 老人保健施設に入所中の重症肺気腫患者に対する鍼治療の1例 |
会議名 | 全日本鍼灸学会雑誌54(2):p222-223(第23回全日本鍼灸学会近畿支部学術集会) |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催地名 | 三重 |
発表者・共同発表者 | 鶴浩幸、江川雅人、高橋則人、松本勅、苗村健治、福井和佳子、 山村義治 |
概要 | 老人保健施設において、腰痛に対して鍼治療を受けていたが、途中から肺気腫による呼吸困難感の鍼治療を行った1症例を報告する。88歳の男性。呼吸困難感に対する鍼治療前の呼吸機能検査では%VC:88.0%, 1秒率:38.2%。PaO2104.7mmHg, PaCO238.9mmHg(O2吸入2L/分)と閉塞性換気障害を認めた。また、衣服の着脱にも息切れを生じ、呼吸困難重症度(H-J)分類Ⅴ度で、重症の肺気腫症例と考えられた。加えて、腰痛、足腰のふらつき感、肩凝りなど多様な症状を呈した。東洋医学的には、脾腎両虚と弁証した。呼吸機能の改善・補腎健脾を目的に、腰痛、足腰のふらつき、肩凝りに対しては腰部、肩部の筋血流改善・筋緊張緩和を目的に鍼治療した。鍼治療により安静時呼吸困難感は消失し、腰痛、足腰のふらつき感、肩凝りなどが改善したが、6分間歩行試験では著明な改善を認めなかった。本症例では呼吸機能検査上の改善にまでは至らなかったが、自覚的全身状態の改善と共に、安静時呼吸困難感の改善が認められたことから、高齢者、特に老健施設に入所の必要な全身状態の良くない患者において、呼吸困難感の改善のために、より全身的なアプローチが必要であると考えられた。 |