ハグチ ヒデコ
HAGUCHI Hideko
葉口 英子 所属 ノートルダム清心女子大学 人間生活学部 人間生活学科 ノートルダム清心女子大学大学院 人間生活学研究科 人間生活学専攻 修士課程 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2018/12 |
形態種別 | 研究論文(大学,研究機関等紀要) |
査読 | 査読あり |
標題 | テレビ時代の放送教育にみる幼児番組の成立と浸透―NHK教育テレビ『幼稚園・保育所の時間』の音楽番組を事例として― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 環境と経営 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 静岡産業大学 |
巻・号・頁 | 24(2),73-89頁 |
概要 | 本稿は、戦後日本において公教育がめざした幼児の〈音楽・リズム・身体表現〉が、公共放送を通じ、テレビという視聴覚メディアの特性でもっていかに編成され、具現されたかを明らかにするため、学校放送に着目し、NHK教育テレビでの幼児番組の音楽番組を事例とした。
とくに1960年半ばから70年代にかけては、ニューメディアであるテレビの教育的役割に対する期待が高まるなか、放送協会が掲げる「放送による新しい保育の創造」により、現場での導入が加速した経緯があった。また「幼保の時間」の番組内容は、先行する聴覚メディアであるラジオの慣例を引き継ぎ、テレビの視聴覚的特性である映像・音楽・音声と、放送としての同時性、即時性、親近性という特質を生かした編成をみせた。それは、「テレビはともだち」という言葉をスローガンにしたように、幼児にテレビに親しみを持たせ、日常的な常用を通じて教育効果、学習効果をはかろうとする働きかけが音楽を通じて実践された内容にほかならない。 テレビ全盛の時代にあって「幼保の時間」の音楽番組は、当時の幼児を取り巻くテレビ文化や音楽文化として受容され、とりわけNHKという強力なメディア組織により幼稚園・保育所の現場や教師にある種の強制力をもって導入された結果、当時の幼児の音楽環境の一部を形成していたことが理解できた。 |