ノムラ マスオ
NOMURA Masuo
野村 益夫 所属 経済学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/09 |
形態種別 | 研究論文(学術雑誌) |
標題 | 日本における国家財政と経済成長の因果関係 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 会計検査研究 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (第44号) |
著者・共著者 | 野村益夫 平井健之 |
概要 | 本論文の目的は,日本における国家財政とGDPの経済成長との因果関係を分析することである。本論文では,国の一般会計予算における1955年度から2008年度までを分析期間として,国家財政で捉えた政府支出と政府収入およびGDPのベクトル自己回帰(VAR)モデルにおいて,この3変数に関する因果関係をGrangerの因果関係を用いて分析を行う。国家財政は,国の一般会計予算の決算値を用いて計算された政府支出と政府収入で捉える。政府支出と政府収入は,基礎的財政収支を考慮して定義する。政府支出と政府収入およびGDPの3変数は全て実質データである。 因果関係の分析結果は,以下に要約する。Grangerの因果性検定の結果は,国家財政としての実質政府支出と実質政府収入,および実質GDPの3変数のモデルで,国家財政における実質政府支出と実質政府収入の2変数間の因果関係を発見できなかった。実質政府支出と実質政府収入で捉えた国家財政と実質GDPで計算された経済成長との間には,Grangerの意味で因果関係が存在した。従って,国家財政における実質政府支出と実質政府収入の差としての基礎的財政収支を分析する問題では,経済成長からの視点が重要である。 |