タカハシ フミコ
FUMIKO TAKAHASHI
髙橋 文子 所属 東京未来大学 こども心理学部 こども心理学科こども保育・教育専攻 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/03 |
形態種別 | 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) |
査読 | 査読あり |
標題 | フォルメン線描の形成力
-3側面の方法論的認識の分析から- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 東京未来大学研究紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (17),179-189頁 |
総ページ数 | 11 |
概要 | 本稿の目的は,シュタイナー学校において低・中学年に必要な教科として実践されている純粋な形態を描くフォルメン線描を,形成力の観点から捉え直すために,それらの線描を方法論的認識の3側面(内容的/形式的/形成的)から検討するものである。具体的に4種の異なる場で描かれた線描群を,Ⅰテーマや主題,Ⅱ造形要素や構図,Ⅲ手の操作や技法等の側面から分析した。その結果,①山型の連続紋に比べ波型をなめらかに繋ぐⅢの過程に抵抗がある幼児の描画の実態(4,5歳児の調査),②基本的なフォルムを学びながら,手の運動が次第に調整されていくⅡとⅢの変容過程(第4学年),③型といえるフォルムの描画から次第にⅠを強め,独自の発想のフォルムに移行したA児の2年間の変容過程(4年~6年生)④歩行等の身体機能は低下するなかで描画の形成過程は保たれた事例(後期高齢者)が明らかになった。これらの考察から,フォルメン線描の形成力は,3側面のうち特に「Ⅲ形成的側面」の感性的な強弱のコントロールと空間把握に支えられていた。さらに「Ⅱ形式的側面」の律動のある形態と「Ⅰ内容的側面」の造形イメージにも相互に関わりあって質的上昇を促し形成力を高めることを実証した。 |