オオビ ユウコ
OBI Yuko
大尾 侑子 所属 東京経済大学 コミュニケーション学部 職種 准教授 |
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研究期間 | 2015/04~2017/03 |
研究課題 | 「趣味」と「研究」の歴史社会学―1910年から50年代の会員制趣味雑誌を対象に― |
実施形態 | |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 |
研究機関 | 東京大学 |
科研費研究課題番号 | 15J11993 |
研究者・共同研究者 | 大尾 侑子 |
概要 | 申請者は、研究テーマ「趣味と研究の歴史社会学ー1910年代から50年代の会員制趣味雑誌を対象にー」について次ような研究成果を得た。 第一に、日本近代文学会において自費出版同盟に関する発表を行った(「「非人情な結束」としての自費出版同盟はいかにして可能か?」2016年春季大会5/29)。この発表では、本研究のテーマである戦前の趣味人や文筆家が組織の論理を通じて社会運動を行ったことについて明らかにした。従来の文学研究では看過されてきた、組織運営の携帯を通じた社会運動という発想が1920年代の日本社会に存在したことを明らかにしたことは文学研究のみならず社会運動研究はメディア史においても重要な知見であると考える。また、日本計画行政学会関東支部・社会情報学会共催 第11回若手研究交流会(於 一橋大学)において、「淫書か、文献書か?ー軟派出版史における両大戦間期の「珍書屋」の意義と限界ー」を発表した。この発表では、戦前期において、従来淫猥な書物として等閑視されていたメディアを巡る知的な共同体が形成されていたことを示した。ここで重要なのが、そういった書物を知識人読者が「文献」と位置付けていたことである。第二に、理論面に関連する成果として査読論「ファン・アイデンティティの宣言に伴うジレンマーヴィジュアル系ファンへの質的調査からー」がある(『ソシオロゴス』40号、1926年10月)。この研究では、合計約300時間のin depth interviewを行った成果を発表した。以上のように、具体的な歴史資料の検討と理論的な検討の両面から研究を遂行することができた。 |