ハマダ ヨシキ   Yoshiki HAMADA
  濵田 良機
   所属   東京医療学院大学  学長
   東京医療学院大学  保健医療学部 リハビリテーション学科 基礎教員
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2008/07
形態種別 研究論文(学術雑誌)
標題 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)への周産期曝露は胎仔脊椎脊髄におけるケモカイン遺伝子Cxcl4,Cxcl7の発現を増強させる
執筆形態 共著
掲載誌名 山梨医科学雑誌
掲載区分国内
巻・号・頁 23(2),33-41頁
担当区分 責任著者
著者・共著者 前川慎吾、川崎晋睦、谷口直史、三井哲雄、濵田良機
概要 ベトナム戦争退役軍人の子どもの出生異常を解析した報告によると,2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)を含む枯葉剤への曝露と,その子どものニ分脊椎を代表とする神経管閉鎖障害(NTD)のリスクとの関連が示唆され,TCDD への曝露はNTD の発症危険因子の1 つとなる可能性があると考えられている。そこで我々は,NTD 発症に関与する遺伝子を解析する目的で,以下の実験を行った。低用量のTCDD(TCDD 曝露群)とコーン油(対照群)を,妊娠12.5 日目のマウス各6 匹ずつに単回経口投与し,6 日後に1 匹の妊娠マウス体内より雌雄の胎仔各1 匹ずつ,各群12 匹,計24 匹の全脊椎脊髄を個別に採取し,RNA を抽出した。そして,Real-Time PCR 法にて6 種類の遺伝子(SFRP2,S100A8,Cxcl4,Cxcl7,Cxcr2,Cxcr3)につき,TCDD 曝露による胎仔脊椎脊髄内のRNA レベルでの発現量の変化を検討した。その結果,発現量が増加する遺伝子として,Cxcl4 とCxcl7 のケモカインを初めて見出した。さらにCxcl4 ではIn situ hybridization 法により発現の増強を認めた。以上の結果は,Cxcl4 やCxcl7 が,TCDD の脊椎脊髄発達毒性機構に重要な役割を果たすことを示唆するもので,ニ分脊椎を始めとするNTD の発症にも関与している可能性があると考えられる。