サカイ ヒロヤ   Hiroya SAKAI
  酒井 宏哉
   所属   東京医療学院大学  保健医療学部 リハビリテーション学科 基礎教員
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2016/04
形態種別 研究論文(学術雑誌)
標題 二期的手術を必要とした骨内侵食を伴う前十字靭帯ガングリオンの一例
執筆形態 共著
掲載誌名 関東膝を語る会会誌
掲載区分国内
巻・号・頁 第32巻(1),18-22頁
著者・共著者 井上良輔 平岡久忠 佐々木有記 星川淳人 酒井宏哉
概要 症例は42歳女性で、誘因なく右膝関節痛が出現し、MRIで右膝外側半月板嚢腫と診断され、関節鏡視下外側半月板部分切除、嚢腫切除が行われた。しかし、術後も疼痛が増強し、紹介受診となった。右膝関節には膝蓋跳躍動や圧痛部位はなく、可動域は伸展0°、屈曲135°で、伸展強制時や深屈曲強制時に疼痛が誘発された。膝関節の不安定性はなく、McMurrayテストでクリック、疼痛は誘発されなかった。前医の右膝関節X線で明らかな異常所見はなく、術前MRIのT2強調像で外側半月板前節にT2高の嚢腫様病変を認めた。ACL周囲を取り囲むようにT2高の信号強度変化とACL大腿骨付着部、脛骨への骨内への侵食を認めた。CTでACL大腿骨付着部と脛骨プラトーの顆間寄りに骨欠損像を認め、ACL付着部の骨欠損部は15×10×7mmと巨大であった。大腿骨および脛骨に骨侵食を伴うACL嚢腫様病変と診断し、関節鏡視下病巣掻爬および骨移植術を行った。病理組織所見は線維組織からなる嚢胞壁を認め、周囲結合組織は粘液貯留様所見が認められガングリオンと診断した。術後はブレース固定し、術後3週よりROM訓練、部分荷重を行った。MRIで明らかなガングリオン再発所見はなかったが切除後7ヵ月、ACL再建術を行った。術後7ヵ月膝関節不安定性はなく経過良好である。