サカイ ヒロヤ   Hiroya SAKAI
  酒井 宏哉
   所属   東京医療学院大学  保健医療学部 リハビリテーション学科 基礎教員
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2016/06
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 骨内へ侵食した前十字靭帯ガングリオンの一例
執筆形態 共著
掲載誌名 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会誌
掲載区分国内
巻・号・頁 第41巻(3),855-859頁
著者・共著者 井上良輔 平岡久忠 佐々木有記 星川淳人 酒井宏哉
概要 症例は42歳,女性,誘因なく右膝関節痛が出現した.発症から5ヵ月後に近医にて右外側半月板嚢腫の診断で鏡視下切除を施行された.しかし術後も疼痛が続いたため当院紹介受診となった.当院初診時所見では伸展強制時や深屈曲強制時に疼痛が誘発された.可動域の制限や膝の不安定性は認めなかった.当院初診時のMRIでACL周囲および大腿骨外顆ACL付着部の骨内へ侵食する嚢腫を認めた.前医での初回手術後約1年で嚢腫切除目的で関節鏡を行った.術中所見ではガングリオンはACL付着部の骨内に大きく侵食し,その切除のためACLは温存できず切除を余儀なくされた.骨欠損部には腸骨より骨移植を行った.当院での術後6ヵ月のCTにて骨癒合を確認,MRIではガングリオンの再発はみられなかったため術後7ヵ月で二重束ACL再建術を施行した.本症例では,初回手術時に既にガングリオンがACL付着部の骨内へ侵食していたにも関わらず,十分な切除が行われなかった結果,その後急速に骨内ガングリオンが増大して巨大な骨欠損を呈するに至った.骨内侵食を伴うACLガングリオンに対しては早期に十分な切除を行う必要がある.