ウチダ マナブ   Manabu UCHIDA
  内田 学
   所属   東京医療学院大学  保健医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻教員
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2015/10
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 脳血管障害に合併する誤嚥症状の病態特性-超音波画像診断装置を用いた食道機能と自律神経機能との関係性-
執筆形態 共著
掲載誌名 臨床福祉ジャーナル
掲載区分国内
巻・号・頁 10(2),39-43頁
著者・共著者 著者:内田学、林 大二郎、加藤宗規
概要 脳血管障害患者の嚥下機能について検討した。誤嚥性肺炎を既往に持ち現在も補助的な手段を用 いて食事を摂取する患者 5 名を対象に、超音波画像診断装置を用いて嚥下時に生じる食道の拡大距離、 および食道を通過する試料の Doppler、その際に生じる食道の RI を測定した。また、食道の調節機能と しての自律神経機能として CVRR を測定し、健常高齢者 5 名と比較検討を行った。食道移動距離は、10 ml では両群の間に有意差を認め、誤嚥群では 5 ml と 10 ml の間にも有意差を認めた。RI は、5 ml で両 群の間に有意差を認め、誤嚥群では 5 ml と 10 ml の間にも有意差を認めた。CVRR は、LF/HF で両群 の間に有意差を認めた。誤嚥群は食道の抵抗を失うことにより弁としての作用が減弱していた。嚥下時 の食道移動距離も拡大していたことから緊張の維持が困難になっていた。これらを調節する自律神経系 の調節異常が起こっていることが LF/HF の結果であり、脳血管障害では特異的に障害を受けているこ とが明確になった。自律神経の中枢が脳幹と脊髄にあり、自律神経核は大脳皮質と視床の上位中枢に支 配を受けているものと考えられ、食道の調節にも影響を与えるものと推察される。咽頭期のみの評価で 誤嚥のスクリーニングを行うのではなく、食道機能の評価を実施する必要性が示唆された。