チバ サトル
Satoru CHIBA
千葉 諭 所属 東京医療学院大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 基礎教員 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1999/04 |
形態種別 | 研究論文(学術雑誌) |
標題 | 穿刺吸引細胞診にて未分化癌と診断され,G-CSF産生が証明された甲状腺癌の1例 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 病理と臨床 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 17(4),391-394頁 |
著者・共著者 | 遠藤 泰彦(東京慈恵会医科大学附属病院 病理), 二村 聡, 原田 徹, 宮沢 善夫, 千葉 諭, 新崎 勤子, 木村 絵里子, 梅澤 敬, 牛込 新一郎 |
概要 | granulocyte-colony stimulating factor(以下G-CSF)は好中球系前駆細胞に作用しその分化増殖を促進, また, 成熟好中球にも作用してさまざまな機能を亢進させる. 今回, G-CSF産生甲状腺未分化癌を経験したので, その細胞像を中心に検討した. 症例は, 72歳, 女性. 左頸部腫瘤を主訴に来院. 甲状腺穿刺吸引細胞診では, 壊死性背景に明瞭な核小体を有する異型の強い腫瘍細胞が散見され, 甲状腺未分化癌と診断された. また, 好中球浸潤が高度で, 腫瘍細胞に好中球が多数付着し, その細胞質内にも多数の好中球がみられ, 細胞質内封入体様の構造を呈していた. 一方, 末梢血白血球数は異常高値を示し, 腫瘍増大とともに増加傾向がみられ, 腫瘍細胞のG-CSF産生が示唆された. 治療により白血球数はやや減少したが, DIC併発, 全経過3ヵ月で死亡した. 免疫組織化学的に, 細胞質内にG-CSF免疫活性を認め, 生化学的検索では, G-CSF血清濃度は正常の50倍, 剖検時採取腫瘍組織の検索により, G-CSF産生が確認された. G-CSF産生腫瘍の予後は非常に悪く, 早期発見が重要である. 以上のように特徴的な細胞所見より, ある程度腫瘍細胞のG-CSF産生を推測可能と考えた. |