モリ チヅル   Chizuru MORI
  森 千鶴
   所属   東京医療学院大学  保健医療学部 看護学科 看護学教員
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2022/04/28
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 アルコール依存症者の自尊感情に影響する要因
執筆形態 共著
掲載誌名 日本アルコール・薬物医学会雑誌
掲載区分国内
出版社・発行元 日本アルコール・アディクション医学会
巻・号・頁 57(2),68-80頁
総ページ数 13
担当区分 筆頭著者
著者・共著者 森千鶴・菅谷智一・金重稀美笑・山田洋・真栄里仁
原著者 森 千鶴
概要 本研究は、アルコール依存症が自分らしさを認めリカバリーを支援するため、自尊感情に影響する要因を明らかにすることを目的とした。
対象者は、精神科外来通院中のアルコール依存症者176名である。
調査内容は、対象者背景、AUDIT日本語版、ローゼンバーグ自尊感情尺度日本語版、健康関連QOLとしてSF-8 日本語版、メタ認知尺度とした。
承諾が得られ、回答に不備のなかった118名を分析対象とした。
その結果、AUDITの得点は平均11.4(±9.1)、自尊感情は平均24.9(±4.5)であった。SF-8日本語版の身体的QOLスコアは平均47.7(±7.6)、精神的QOLスコアは平均41.5(±11.1)、メタ認知尺度合計は中央値51.0であった。
自尊感情を従属変数として共分散構造分析をし、AUDITの合計得点は身体的QOLスコア(β=-.30)、精神的QOLスコア(β=-.34)に影響していた。身体的QOLスコア(β=.25)、精神的QOLスコア(β=.48)を介して自尊感情に影響していた。また、メタ認知が直接自尊感情(β=.16)
さらにモニタリング(β=.15)介して自尊感情に影響していた。
アルコール依存症の自尊感情には、飲酒量を減らすことによって健康関連QOLを高めること、また人の認知活動についての知識や方略や信念からなるメタ認知的知識を高めることが影響することが確認された。これらを自尊感情に影響する要因を高めることがリカバリーへの支援となると考えられた。