スエキ ハジメ
SUEKI Hajime
末木 新 所属 和光大学 現代人間学部 心理教育学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020 |
形態種別 | その他 記事 |
標題 | ICTを活用した地域自殺対策の強化に関する研究 |
執筆形態 | 指定なし |
掲載誌名 | 令和元年度革新的自殺研究推進プログラム研究成果報告書 |
著者・共著者 | 伊藤次郎,末木新,高橋あすみ |
概要 | 本研究は「自殺対策のためのICTを活用したアウトリーチ:インターネット広告のガイドライン」及び「インターネット・ゲートキーパーの手引き」を開発することを目的に、以下の研究を実施した。 【研究1 ICTを活用した地域自殺対策の実態調査】 157自治体を対象に、ICTを活用した自殺対策の実施状況や課題を尋ねる質問紙調査を行い、105自治体から回答を得た。アウトリーチは20自治体、メール相談事業は9自治体、SNS相談事業は13自治体でそれぞれ実施され、全体で自治体の約3割がICTを活用した自殺対策を行っていた。各自治体は自殺対策に係る予算や人員の不足、ICTを活用することの知識や経験の不足を課題として認識していた。 【研究2 ICTを活用したアウトリーチに関するインタビュー調査】 関連分野の専門家5名に半構造化面接を実施し、自殺対策における現状のインターネット広告に対する意見や、自殺リスクのある者に相談を促すための適切なメッセージについて尋ねた。望ましい広告は、自殺リスクを有する個人が置かれている状況や自殺に関して価値判断や評価をせず、個人に寄り添うメッセージであること等の示唆が得られた。 【研究3-1 相談者の検索用語と精神状態の関連について】 251名の相談者のデータを用いて、相談事業にたどり着いたときに検索した用語と自殺念慮尺度の関連を検討した。「死にたい」「消えたい」等と希死念慮を検索していた相談者より、「死に方」「自殺」等と自殺について検索していた相談者の方が、統計的に有意に自殺念慮が高かった。 【研究3-2 フォローメールに関する実態調査】 しばらくメールの返信がなく相談員からフォローメールを送っていた相談者110名とのメールのやりとりを集計・解析した。110名に対して延べ511通のフォローメールを送っており、フォローに対する返信が1度でもあったのは58名(52.7%)、一度も返信がなかったのは52名(47.3%)であった。返信率はフォロー1回目で30%前後、2回目で約50%に至ったが、その後はフォロー回数を重ねても60%前後で停滞していた。 |