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    (最終更新日:2024-07-26 13:11:09)
  カトウ ミユキ   KATO Miyuki
  加藤 三由紀
   所属   和光大学  表現学部 総合文化学科
   職種   教授
研究業績
■ 著書・論文歴
1. 2024/03 論文  「上党戯劇院・趙樹理協助整理『三関排宴』札記―楊家将物の葛藤劇改編と映画化」 『九葉』 (第9号) (単著) 
2. 2024 論文  「葛水平」「韓少功」「高暁声」「曹文軒」「陳忠実」「鄭義」「莫言」「李鋭」「路遙」の作家ファイル・邦訳作品リスト 『中国語現代文学案内』  (単著) 
3. 2023 論文  「同時代の中国文学」連載 『日中友好新聞』  (単著) 
4. 2022 その他  「概観2021年 中国文学」 文藝年鑑  (単著) 
5. 2021/04 論文  「人民作家がいるところ——趙樹理『小二黒結婚』と殺害事件判決書―」 『お茶の水女子大学中国文学会報』 (第40号) (単著) 
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■ 学会発表
1. 2016/09 『日本における趙樹理研究』(趙樹理生誕110周年記念シンポジウム)
経歴
■ 学歴
1. ~1984/03 お茶の水女子大学大学院 人文科学研究科 中国語学中国文学専攻 修士課程修了
■ 職歴
1. 2019/04~ 慶應義塾大学大学院 非常勤講師
2. 2007/04~ 和光大学 表現学部 総合文化学科 教授
3. 2002/04~2007/03 和光大学 表現学部 文学科 教授
4. 2001/04~2002/03 和光大学 表現学部 文学科 助教授
5. 1993/04~2001/03 和光大学 人文学部 文学科 助教授
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■ 現在の専門分野
キーワード:現代中国文学 
■ 所属学会
1. (日本)中国当代文学会
2. 中国文芸研究会
3. 日本中国学会
社会活動
■ 社会における活動
1. 2018/12 東京大学『梁鴻講演 廃墟と新生が織りなす中国農村』コメンテーター
2. 2017/12 中国広州華南師範大学・中山大学講座《当代日本文学里的中国》
■ 委員会・協会等
1. 2018/10 日中友好協会 主催 中国文学講座担当
その他
■ 教育活動
・1988年4月 和光大学人文学部文学科に、現代中国文学研究、中国語担当の講師として着任
・1993年4月 和光大学人文学部文学科助教授に昇格
・2002年4月 和光大学表現学部文学科教授に昇格(2000年4月、人文学部は表現学部に改組)
・2007年4月~ 表現学部総合文化学科教授、現在に至る

 表現学部総合文化学科において、主として現代中国文学関連の講義を担当している。主要担当科目のゼミナール「現代中国の社会とことば」では、中国語の基礎的な力を育み、現代中国の社会・文化状況を端的に表す言語表現について学生が調査して報告を行い、プレゼンテーションの力を養いながら、現代中国への理解を深めている。日中比較文化の視座から現代中国にアプローチする学生も多い。日本文化が中国でどのように受容されているのかを探究する過程で、自らを顧みることもある。このように自己を相対化する態度を養うことも重視しており、総合文化学科基礎科目として「日中比較文化論」、選択科目として「中国語とその世界」を担当している。卒業論文の指導においては、総合文化学科の中国文学・中国語関連のテーマの他、他学部の現代中国をテーマとした学生の卒論についても副査として指導にあたってきた。
 外国語教育の分野では、全学共通の外国語科目「中国語」で初級教育に注力し、また、中国語短期留学への参加を学生に促してきた。総合文化学科「中国語研修プログラム」責任者として、カリキュラム調整を行い、プログラムの「中国語実習にかかわる科目」として、研修旅行や各種中国語能力試験対策指導をしてきた。和光大学学部生を引率して中国北京市の北方工業大学日本語学科との交流を行った。
■ 国際学術交流
2014年11月北京中国当代史読書会主催「社会史視野下的中国現当代文学――以趙樹理為中心”」報告「『小二黑結婚』的権力磁場和外面権力」
2016年9月 中国山西省沁水市・晋城市にて趙樹理生誕110周年記念シンポジウム報告『日本における趙樹理研究』
・2017年12月 中国広州華南師範大学・中山大学講座《当代日本文学里的中国》
・2019年3月 中国北京師範大学《翻译与中日近现代文学》シンポジウム報告《水上勉文学の翻訳と莫言》、北方工業大学講座《历史记忆与文学表现——倾听彼此的声音》
・2019年4月 中国首都師範大学・日本当代文学研究会共催『莫言研究日中研究者東京シンポジウム』総括者
■ 研究活動
20世紀以降の中国農村を描く文学を巨視的にとらえることを課題としている。
 中国の都市と農村の二重構造を描く文学に着目し、自らの努力で道を切り開く農民を描いて、農村から都市に出稼ぎに出た労働者に支持された作家路遙、一年の半分を農村で生活し村の行政にも関わりながら中国の基底をなす重層構造をフィクションの世界に再現する作家韓少功、詩的な文体で農民の様々な生活を描く李鋭、疲弊した農村と、そこから出立せざるを得ない農民が体験する都市での疎外を描く賈平凹など、個別作家の作品研究をすすめてきた。また、農村出身の作家、莫言が2012年ノーベル文学賞を受賞し、日本でも一気に注目されるようになり、様々なシンポジウムが開催され、その報告者などを務めた。関連して、出稼ぎ農民や都市貧困層、農村に残る弱者などの生活を凝視する文学的営為として「底層叙述」(アンダークラスの表象)が注目されており、その生成過程と現状を数本の論文にまとめた。80年代以降の教育の成果として、農村出身の研究者や作家が育成され、自らの出自を研究や創作の根底に据えた作物も多く出版されるようになった。とりわけノンフィクションには秀作が多く、これからの文学潮流を作っていく大きな要素として注目している。また、人民作家と称される趙樹理に新たな光を当てる研究が中国で活発になり、研究交流を続けている。2018年にはサバティカル期間に太行山脈の山村を4カ所調査し、趙樹理の足跡と現代の農村社会との関連について資料を得た。
 上記活動とあわせて、中国当代文学にみる日本イメージについて、主催する(日本)中国当代文学研究会において調査をすすめ、関連作品の精読を行っている。