研究業績 |
■ 著書・論文歴
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経歴 |
■ 学歴
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■ 職歴
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■ 所属学会
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社会活動 |
■ 社会における活動
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■ 受賞学術賞
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その他 |
■ 教育活動
2024年4月、和光大学表現学部総合文化学科に、神話学担当の教授として着任
表現学部総合文化学科において、神話に関する講義を行っている。神話というと、荒唐無稽な過去の遺産のように思われるかもしれないが、実はきわめて論理的なこともあるし、人間の本質に迫る構造をそこから見出すこともできる。「神話学入門」では世界の神話を地域ごとに概観する。そのことによって、神話の世界における共通性と、地域の独自性に気づくことができるだろう。神話は地域の独自性を持ちつつも、世界で似たものが多く見られる。この現象は神話学の楽しさの一つである。地理的にかなり隔たっていても神話には似ているものが多く見つかることがある。なぜなのか、それは、一つ一つの事例に即して丁寧に考えていく必要がある。神話の類似のすべてを説明できる「ひとつの魔法のような答え」は存在しないことを理解するのも重要だ。
ゼミおよび卒業論文の指導においては、「神話」に関することで学生の興味を最大限に尊重し、テーマを設定して進めていく。この際、「現代の神話」についても考えていきたい。神話は古代の遺物では決してなく、現代にも何らかの形で息づいている。それを探すのもまた、神話学の課題だと考える。
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■ 研究活動
インド神話、とくに叙事詩『マハーバーラタ』を中心に、世界の神話との比較研究をしている。インドの神話はインド=ヨーロッパ語族に属することから、ギリシアや北欧ゲルマン、ケルトなど他のインド=ヨーロッパ語族の神話との類似が多く見られる。このことを、フランスの神話学者ジョルジュ・デュメジルの理論に即して見ていくのが一つの方向である。
もう一つは、「現代の神話」ということを考えている。神話は過去のものなのか。そうではない、と私は考える。神話は現代にも生きている。しかしそれは、古代の神話とは姿が違っているだろう。神話の定義の中核は「聖性」にある。しかし現代日本社会において純粋な「聖性」を見出すことは難しいだろう。日本人は古来「ゆるい聖性」を持っていて、日常的に寺社にお参りなどもしてきた経緯がある。その「ゆるい聖性」は、現代のサブカルチャーの中に見出すことができるのではないか。サブカルチャーの中には、神話の神々や道具の名称が多く出てくるものがある。それらは、その名によって古代の神話にわれわれをいざなう。そのことによってわれわれは、神話の世界に接触するのだ。
もう一つ考えているのが「怪談」である。『怖い女』と『怖い家』という著作で論じたことであるが、「怖い」と思うことの背景には、「ゆるい聖性」があるのではないか。怪談は現代の神話たりうるのか。
これらのような、「現代の神話」の問題も今後取り組んでいきたい研究である。
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